夢の終焉と現実の始まり

飯田さんの卒業により、娘。の持つ歌手性が薄まるのではないかとか、受け手側による過度なストーリー性の付加がなくなるのではないかとか、何となく色々と考えてみたのですが、まったくもってうまくまとまりません。
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初期タンポポやセカンドモーニングでの女の業や情念をダイレクトに感じさせた歌声は、歳を重ねるごとに母性やおだやかさをも併せ持ったものへと変化を遂げ、本当に魅力的な歌手に成長したと思います。だからこそ、彼女には今後も歌をうたい続けて欲しいし、作り手側にはそれなりの楽曲を提供して欲しいです。地中海とかいう謎のコンセプトはもうそろそろ捨て去ってもいいのではないでしょうか。


昨晩、あな真里を聴きました。とても落ち着いたトーンで話す飯田さんの声を耳にして思わず目頭が熱くなったりも。ラストに『たんぽぽ』なんて流すものだから遂に涙腺は決壊。それもやむをなし。自分は卒業というシステムには未だ疑問を抱いているような人間なので、「おめでとう」という言葉にはやはり抵抗があるというのが本当のところです。
でもこれだけは。「本当にお疲れ様でした」


さて、新体制となるモーニング娘。、ここでオリジナルメンバーの消失という最大の節目を迎えたわけで。これからの娘。は今まで以上に厳しい局面にぶち当たるかと思われますが(セールスの伸び悩み、人気の回復等)、近頃の矢口さんに見られる力強い発言、そして「大人になった」という形容がハマるようになった吉澤さん、まだまだ手探り状態なのでしょうが、この2人からは決意や覚悟といった類のものをひしひしと感じられます。5・6期メンバーそれぞれのより強い自覚と奮起にも期待しつつ、今後の展開も楽しみにしています。